自分が購入した土地はセットバックする前提であったため、その時の流れや費用について記載します。結構やること多く、予定外の費用もかかったりしたので参考になればと。
土地について説明
土地は4m以上の公道に面していたので法的にセットバックは必須ではなかったのですが、世田谷区の風致地区エリアで40/80であった建ぺい率と容積率がセットバックすることで50/100に軽減される土地でした。そのため、周りも家もセットバックしておりほぼ必須な感じでした。
セットバックや風致地区では手続きの工期への影響や費用に気を付ける
先に結論になってしまいますが、セットバックや風致地区の申請には数か月の期間が必要となり、これが終わらないと建築許可申請が出せないなどの制約があるため建物の設計/工事のスケジュールに影響します。また、仮整備や測量などの費用が必要になることもあるため事前に費用やスケジュールへの影響は確認した方が良いでしょう。
セットバック手続きの流れ
土地を買う前から売主側で測量士の方と分筆とかを進めてくれていたので、途中から引き継いだ形になります。
この流れは区によって変わると思うので、あくまでも自分のパターンになります。
1. 事前相談⇒測量⇒分筆
最初は区との事前相談、申請、打ち合わせ、現地立会、測量を進めていき分筆、図面作成を行います。分筆は1つだった土地を2つ以上に分けることで、セットバックして道路にする土地と宅地に分割します。
私の場合はここまでを売主と測量士の方で進めており分筆された状態での購入でした。
2. 仮整備⇒現地立会⇒寄付申請
次に分筆した道路側の土地を区に寄付する申請を行います。寄付した土地が最後は道路に舗装されます。
これが想定外だったのですがセットバックの寄付申請を行う前にセットバック部分を仮整備(アスファルト舗装)してある必要があるそうです。そのため、業者を探して自費でアスファルト舗装が必要でした(5平米ぐらでしたが、15万円ぐらいかかりました)
ちなみに、後で区が本整備するときに仮整備した舗装を再度壊して道路にするそうです・・・正直無駄だけどそこはお役所仕事ということで。
仮整備は1日で終わり、仮整備後に区の職員と測量士が現地立会しそのまま寄付申請を行います。(仮整備以外は測量士と区の職員で進めてもらいました)
ここまでが測量士の仕事で、報酬として大体40万円弱くらいかかりました。
3. 区での諸手続き、告示期間
寄付申請を出してからおよそ2ヶ月ぐらいは移転登記や道路法の手続きなどを区で行うための期間になります。この手続きが終わったら通知がきます。
これが終わるまでは建築許可申請が出せないため、設計/建物工事のスケジュールを含めて考慮しておかないと工期が伸びてしまいますので注意が必要です。
4. 建築許可申請(53条)、風致地区申請
ここからは建物業者の仕事になりますが、建築許可申請と風致地区の申請を出してもらいます。提出してから完了までおよそ2週間ぐらい必要となります。
5. 現地立会、本整備(道路工事)
後はセットバックした部分を区が道路に舗装するのですが、その前に建物業者と区の職員で現地立会を行い、ここで道路工事と建物工事とのスケジュール合わせなどを行います。
道路工事が行われる際に測量杭がなくなってしまうことがあるらしく、逃げ杭をして再度工事後に杭をうつなどの対応が必要らしいです。(数万円程度必要)
私の場合はお隣さんが境界に柵をつけていたので、杭がなくても気にならないため特に行いませんでした・・・
セットバック関係でかかった費用はおよそ60万円程度
以上まとめると費用としては以下がかかりました。
- 測量士への報酬・・・40万円弱
- 仮整備(アスファルト舗装)・・・15万円
- 測量杭の打ち直し・・・行っていないが行う場合は数万円
- セットバック関係の申請のため伸びた工期のつなぎ融資の利子・・・数万円